事実上の定年が早いのは正規か非正規か

定年は規定上は正規でも非正規でもほぼ同じように定められているが、エンジニアには事実上の定年が存在する。エンジニアとして最前線で現役で働ける状況はいつまでも続くわけではなく、前線を退かなければならなくなると事実上は定年になってしまうだろう。その時期がいつ到来するかはIT業界の中でも分野によって差があるのだ。

ただし、全体的な傾向として正社員か非正規社員かによって異なっている傾向もあるのが事実である。一般的には正社員のエンジニアに比べると非正規社員のエンジニアの方が早く事実上の定年に直面している。最も大きな問題となっているのは職場を変更することであり、新しい職場に慣れられる能力がもはやないと考えられてしまい、仕事が見つからなくなってしまうこともある。年齢を重ねてしまうとだんだんと柔軟性が低下してしまうのは確かだろう。たとえ高い能力を維持しているエンジニアであっても、新しい現場に順応して適切な仕事を的確に行っていける能力があるかというと疑問視しなければならなくなってしまう。

そのため、同じ職場で働き続けている限りは正社員も非正規社員もあまり事実上の定年に違いはないが、契約期間が切れてしまって他の職場に移ろうとすると非正規社員の場合にはそれが定年になってしまう場合もある。正社員として働いておくことでこのデメリットは解消されるが、能力が高いことはどちらの場合にも要求されるので注意しておくよいだろう。